信州長野の地酒「白馬錦」大吟醸、純米吟醸、純米酒、季節限定等の販売。|専務のブログ 新肝話休題



 どうも皆さんコンニチワ、B.J.コースケです。
さて、2018年2月15日、大町市某所にて、白馬錦・夏の純米吟醸生酒「雪中埋蔵」を雪の中に埋蔵してまいりましたので、当日の作業を振り返ってみたいと思います。






 作業当日の空は曇り。軽く小雪も舞っており、「人にちょっと厳しく、お酒に優しく」といった按配。
例年ですと、この埋蔵作業は1月の下旬ぐらいに行われるのが常なのですが、今年は半月ばかり遅れての作業開始となりました。
1月辺りから日本海沿岸の地域では「歴史的大雪」と、さながら連日のようにその極端な降雪が大きな話題となっておりましたが、長野県はそれとは裏腹に「風は冷たいけれど、雪はあまり無い」といった日が多かったと思います。
そんな状況もあって、埋蔵作業の開始が遅れた部分もありましたが、何とか作業を行うに必要な雪が確保できました。





 さて、今回も地元の建築会社様のご協力も頂きつつ、トラックからお酒を降ろします。人の多さと、これまでの経験も手伝って、作業はスムーズに進行。









サクサクとお酒が貯蔵場所に並べられていきます。






 こちら写真は貯蔵場所となる「穴」から、上に視線を向けたものですが、何となく穴の深さが分かるでしょうか?






作業開始から2時間ほど経ちまして、1.8Lビン/約3,600本ものお酒の設置(?)が完了。






鉄パイプのフレームとコンパネでお酒を雪の重みから守ります。






お酒のまわりにしっかりと雪をツメていきまして・・・。






大型除雪機により、一気に雪をかぶせていきます!






午後には作業が終了。
写真中の自動車から、何となく雪山の高さが伝わりますでしょうか?
おおよそ雪山の高さは2mほどかと思います。



 本年もこの「白馬錦・雪中埋蔵」は6月上旬の発売を予定しております。
じっくりとお酒が美味しくなるまで、しばらくお待ちくださいね~!!




 どうも皆さんコンニチワ、B.J.コースケです。
本日2月1日は白馬錦の社内にて、【「白馬八方 黒菱」白馬八方尾根 おらほ酒造りプロジェクト完成発表会】が催されましたので、その様子をお届けします。





 本プロジェクトは主催:八方尾根観光協会/(株)薄井商店 協力:JA大北/北アルプス農業改良普及センター/白馬村 により、昨年の5月末から開始されたもので、「白馬村発の、官民一体となり、また外来のお客様も交え、地域の酒造りをしよう!」といったもの。

昨年は田植え稲刈りが行われましたが、いよいよお酒そのものが仕上がりましたので、お披露目会と相成ったワケであります。





 さて、関係各位が白馬錦に集まったところで、まずは酒ビンの総仕上げという事で、肩シールを貼る作業を行って頂きます。





 今回の純米吟醸 無濾過生原酒「黒菱(くろびし)」の外観。
軽いスクリュー状の黒ツヤ瓶にシンプルながらもオシャレな感じのラベルがあしらわれています。
少なくともここ10年間、こうしたデザインの瓶を採用した白馬錦のお酒は無かったと思いますが、単にお酒の醸造由来のみならず、デザインの面としても、白馬錦としては珍しい一品になりました。





 会場内にはおおよそ50人程度の来場者。
これまでのプロジェクトに参加された一般の方々はもとよりですが、プレス関係の方も大変多かったです。





関係各位のご挨拶のあと・・・





いざ、「カンパイ!!」





まさに出来たてホヤホヤの純米吟醸 無濾過生原酒新酒を頂きます!
この「黒菱」は新しい酒米を59%精米したものを1月8日に仕込み、24日間のもろみ期間を経て仕上がったもので、酒質は、


・日本酒度:+1
・アルコール度数:17.2%
・酸度:1.5
・アミノ酸度:1.6



という内容に。
出来たてということもあり、かなり若い質感があるものの、やや淡麗かつ、しっかりとした香りと米の甘味がノッた味わいになりました。
若いながらも「純米吟醸」らしい、キメの細やかな高級感も感じることができるお酒です。





田植えの段階から海外の方も本プロジェクトに参加しておられましたが、なかなか田植えの段階から出来たての新酒を口にする経験というのはそうそう無いのではないでしょうか?
業界では日本酒蔵を巡る「酒蔵ツーリズム」が検討されていますが、そうした体験型の観光において、本計画は一つの”型”にもなっているのではないかと思います。
こういった経験を経て呑む新酒はまさに「格別!」の一杯と言えるのではないでしょうか。





さらに粕汁(not フリーズドライ版)も振舞われます。
今日の大町はキリリと冷え込んでいましたので、外で口にするアツアツの粕汁は体に染み渡るウマさです!





今回の新たに作成された黒菱のお猪口。
酒のみならず、器もオンリーワン仕様です。





さてさて、昨日1月31日は「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」という、大変珍しい皆既月食の夜だったワケですが、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか?





改めてラベルに目をやりますと、ちょうどこのブルームーンを彷彿とさせる月のデザインが盛り込まれております。
単に美味しいお酒のみならず、思い出深い「満月酒」になったのではないでしょうか?



 そんなこんなで、純米吟醸 無濾過生原酒「黒菱」は白馬八方エリア発で順次販売が行われていきます。

このプレミアム純米吟醸酒「黒菱」のお問い合わせは、八方尾根観光協会様 (TEL:0261-85-2870)までお願いします。






新年あけま ”した”!!(過去形)

「俺は過去を振り返らない!!」

あるのは未来だけ!
好きなBGMは「ダライアスバースト リミックス/背中に未来」ッ!!

そんなこんなで毎度!B.J.コースケでス。
新年早々パラドックス気味ですが、本年もよろしくお願いします!







 さてさて、年末が年始のある日のある夜。


「パオ先生の描くお姉さんはキレイでヤンスなぁ。で、2巻はしょっぱなから酒サムライですカ。つーか、こんなキレイなお姉さんのいる屋台BARがあったら通っちゃうワー!!」

などと、早川 パオ:著「まどろみバーメイド」の2巻をグデングデンとしながら読んでいた時ですね、ピンと来たんですよ!ピンと!!
テヅカな先生的、例のアレが!!



「さふ言えば。
日本酒に強制的に空気を混ぜ込むと、酒の味はどのやうになるのでせうか?」




カクテルの世界ならば「混ぜる」という行為は基本、お酒Aとお酒Bを混ぜることを指しますし、日本酒業界は基本、(製品化後のお酒を)「混ぜる」などという概念はほぼありません。
ですので、「空気だけを強制的に混ぜる」という概念は、日本酒業界においてはまず無いと言っていいでしょう。
否、それどころか、昨今の日本酒業界は「いかにしてお客様の口に入るまでの間、酒中の空気を抜くか?」が技術的な話題の一つと言っても過言ではない。

ご存じの通り、日本酒を劣化させる要因は「光」「温度」「空気の触れ具合」、さらには「物理的なダメージ」の累積で決まりますので、当然、空気にいかにして触れさせないかは大なり小なり、杜氏さん達の頭を悩ませる部分でもあるわけです。

少し日本酒に詳しい方ですと、冷えすぎた日本酒の香りを開かせるために時にグラスを揺すったり、手で温めたりする事はありますが、どちらかというと「温度を適温に戻し、本来あるべき香りを立ち上らせるための操作」といった趣が強いように感じます。

 一方、ワインの世界において、実際に口にする瞬間にデキャンタ(ボトルから大きな器に移し替えて)して、空気に触れさせてから呑む、という行為はごく普通にあります。
どころか、パンや天ぷら、アイスクリームといったものでも、「空気をどの程度織り交ぜるか?」は仕上がりや舌ざわりを大きく左右する要因の一つでもあるかと思います。


それならば、「呑む瞬間に」強制的に空気を混ぜたら日本酒の味はどうなるのか?
マイルドになるのか?それとも一気に劣化が進むのか?

そんなこんなで、今回はシェイカーを用い、”日本酒と空気のみ”で味がどのように変化するのか、やってみた次第であります。







 そんなこんなで、今回用意したお酒は白馬錦「しぼりたて 純米無濾過生原酒」と、「とどろき / 80%低精米 純米酒」の二つ。
まず、「しぼりたて」は香りが高く、甘味も強いので、香りの変化が分かりやすいであろうという理由から、「とどろき」は白馬錦のラインナップの中でも、熟成味と熟成香を楽しむタイプのお酒ですので、今回の実験における指標としてベターであろうということでチョイスしました。
またこれらのお酒は冷蔵庫に入れたものを取り出してから、テイスティングしています。

それではまず、「しぼりたて」をガラスの酒器に注ぎ、そのままの状態で味を見ます。



・・・
・・・・
・・・・・


うん、旨い!!

いい意味で若いお酒の荒っぽさが抜けたあたりのようで、甘い立香と、それに負けない膨らみのある甘さがお互いを支え合い、舌ざわりも滑らか。
お値段もよく、ちょうど飲み頃&買いごろになっているのではないでしょうか?

これだけモノがいいなら、今回、もう終わっちゃっていいカナー!?

・・・おや?なぜかタイミング良く、シャッチョさんが釘バットを持ってスゥイングの練習をしておられるゾ?



肝話休題。





 それでは続いて、シェイカーでもって、「しぼりたて」を空気と混ぜてみようと思います。
なお今回は、奥に向かってVの字を描くような軌道ではなく、縦にくるくると回転させることを意識してシェイクしてみました。



・・・
・・・・
・・・・・


ほほぉ。

 味が良いも悪いも、大人しくなったカンジ。香りと甘さがどちらも空気の層でコーティングされたような感じがあります。
また、素の状態では若干、呑みの終わりごろに酒精感を感じる部分があったのですが、このあたりが大分緩和されたかのような印象があります。

では次に、「とどろき純米酒」をそのままで試してみましょう。



・・・
・・・・
・・・・・


おお、旨い!

 熟成感がポッと立ち上ってきますが、それと真反対のニュアンスである若いお酒の質感がこれを補おうとします。
料理やタバコの世界でも、若い素材と古い素材を混ぜて、お互いの美点と欠点を補おうとするものがありますが、まさにそんな感じがあります。

基本的に醤油の煮込みなどに合わせやすいという「とどろき純米酒」ですが、ちょっとクセっ気があり、なかなか玄人志向のお酒となっております。

これだけ美味しければ、アレコレ手を加える必要ないよね!?
よし、今回のブログ終了ッ!!

・・・おや?なぜかタイミング良く、シャッチョさんが草刈り機にガソリンを入れておられるゾ?



肝話休題。



それでは、「とどろき純米酒」をシェイクしてみましょう。



・・・
・・・・
・・・・・


あら、まぁ、奥さん!!

単に言葉にすると、「熟成部分と、若い部分が混ざり合い、バランスが取れた味になった」というところでしょうが、これを絵にすると、以下のように感じました。



 つまり、「熟成」「香り」「酒精感」など、それぞれの要素を分け隔たせる要素・・・いわば「壁」のようなものがなくなり、それぞれの要素がひとつにまとまった感がある、といった趣を感じました。
これは驚きです!


あとついでですので、「まどろみバーメイド」の2巻に登場する新しいキャラクターのシェイキングを真似て、縦回転ではなく、横8の字回転・・・いわゆる「立体回転」をイメージして振ってみました。
とは言え、「振りながら8の字」をいきなり出来るほどウデがあるわけでもないので、実際には「お酒をシェイカーの中で8の字にゆすった」といった方が正しいでしょうか?
さて、お味の方は・・・?



・・・
・・・・
・・・・・


おぉおあぁあ!???

なんと、どうしたことでしょう!
熟成感「だけ」がマスクされたかのような印象!!
これは全く予想だにしなかった結果です!!
いずれにせよ、先の縦回転とは全く味が違います。




■ 今回の実験結果 ■
 シェイクの仕方で味が変わる!




 本職のバーテンダーさんからすれば、「何を当たり前のコトを・・・」と、ヤレヤレ感が漂うこと間違いないんでしょうが、「混ぜるという概念が(ほぼ)ない日本酒業界」とすれば、これは改めて検討するに値する、大きなヒントを示すものでもあります。

つまり、料理や環境、温度や燗酒における各種器具だけでなく、”振りを入れるか否か?”という、製品であったり、飲食店における提供方法のさらなる付与という事です。




 いわゆる日本酒好きの方は時に燗酒用チロリであったり、味の変化に応じてセレクトする器なりを持っているかと思いますが、更なるひとつの楽しみ方として、強制的に空気をお酒に取り込み、味の変化を楽しむのもアリではないでしょうか?
シェイカー自体は必ずしも高価なものでなくで良いかと思います。
空気を取り入れることは、更に日本酒の世界が広がるのではないのでしょうか?




そんなこんなで、

いつもの呑みなれたそのお酒、今夜は振ってみませんか?





 ドミネイション!!(S+な例のアレで。)

 どうも皆さん、B.J.コースケです。
先日の本ブログでは、世界初?のお酒ゲームである「VA-11 HALL-A」を取り上げさせて頂きました所、(ツイッター上で)大変大きな反響がありました。
ゲーム内容の良さもあるのでしょうが、何よりも「酒屋がゲームのレビューをした」という事のインパクトが大きかったようです。
お酒がメインのゲームというのも世界初なのでしょうが、「ゲームを大マジでレビューする酒蔵も世界初であろう!」と、言葉にするとスゴイですが、それって実際のとこドウナン?と自分で思うことしきり(笑)。

さて、この「VA-11 HALL-A」はsteamというゲームのオンデマンド販売WEBサイトで購入したんですが、アレなんですよ。
ここのサイトでは定期的に格安セールが発生しまして、その度に気になっていたあのソフトやら、最新の面白そうなソフトを買ってみるんですが、殆ど「買うだけ」なんですよね。買うだけで、起動すらしないという。本の世界で言うところの「積ん読」ってヤツならぬ、「積みゲー」というヤツですね。
1,000円ソコソコで販売されているソフトも多いのですが、幾ら単品が安かろうと、数を買えば金額もデカくなるわけでございまして。
クレジットカードの請求書を見ると、その金額の高さにビビるんですが、犯人は誰かと申しますと、自分と言う罠。
「遊ばないんだったら、買わなきゃいいじゃん!」と自分でも思うのですが、アレですわ、昔から参考書買ったらそれだけで頭が良くなったと勘違いすると申しますかね、ええ。
まぁ要するにアレですよ、「VA-11 HALL-A」サイコー!、「OneShot」スゲエー!、「斑鳩」やっぱ名作だわー! という事です、ハイ。



肝話休題。

もう一度繰り返しますが、

肝話休題。



 さて、バーチャルなお酒の話はこれくらいにして、今回はリアルなお酒であります、白馬錦・冬の季節酒「しぼりたて 純米無濾過生原酒」「純米にごり酒 冬の銀河」をレビューしたいと思います。





 外観やお値段、基本となる製法などは昨年と特に変わらず。
さて、今年の塩梅はどうでしょうか?
まずは自宅の冷蔵庫で一晩冷やした「しぼりたて 純米無濾過生原酒」を開封してみましょう。


・・・
・・・・
・・・・・


若いッッッ!!

 例年になく高く突き抜けてゆく香り、信州の新酒ならではの質感あふれる、なめらかで清水感漂うキレ!これを支える、コシと甘さがあります。

・・・が、若い。
香りの強さから察して、「あ、味が太いナ」と身構えるんですが、ハードなパンチ感があるのではなく、少しあっさり感すら漂うボディ分。

それもそのはず、昨年と今年の酒質を一部比べますと、


 <しぼりたて 昨年/本年>
アルコール度数:16.8% / 17.2%
日本酒度:-4 / ±0
酸度:1.3 / 1.4



と、明らかに酒全体が辛口にシフトしているのです。
ただ、「辛い!」というフィールじゃなくて、「あっさり感」の方を感じるんですね?
元々甘さが強いお酒だったので、バランス上「あっさり」と感じるかもしれないんですが。
ですので、お料理の合わせ云々よりも、まさに「新酒を楽しむ」お酒になっているんじゃないかと思います。



 続いて、「純米にごり酒 冬の銀河」を開けましょーという事で、2~3回軽くビンを回して、いざ開栓!!


ブシュウウウウゥゥゥ!!


 あ、アレ!?思っていたよりもガスが出てる!
こぼれる!こぼれる!あばばばばば!!

・・・と、いうわけで、コースケ宅のダイドコロは一時、小さな惨劇に(笑)。
しかし、その苦労もあってか?まさに「出来たてのにごり酒」といった赴き。
グラスの中ではピチピチと炭酸のハジける音が聞こえてきます。

こちらの酒質も昨年に比べまして、


 <冬の銀河 昨年/本年>
アルコール度数:15% / 15%
日本酒度:-10 / -1
酸度:1.4 / 1.8



という違いがあります。
とりわけ目を引くのは、日本酒度。昨年の-10が今年は-1ですから、理屈上では随分と辛口のにごり酒ということになります。
しかし先のしぼりたて同様、「辛口」というよりは、バランス的に「あっさり」感を強く感じるんですね?
ですので、昨年までのにごり酒のように「全体的に太さがある」味ではなく、かといってリニューアル前の「全体的に淡いカンジのにごり酒」というのともチョット違う。

つまり、若さですよ、若さ!!

・・・若さって、何だ?(フリとかクリとか例のアレで。)

そんな哲学的なゴタクはいりません。「呑めよ、呑めば分かるサ・・・」です!



 そんなこんなで、フレッシュ感満載となりました本年の白馬錦・冬の季節酒「しぼりたて 純米無濾過生原酒」「純米にごり酒 冬の銀河」は2017年12月15日発売なのですっ!!

にごり酒の開栓の際はご注意頂きつつ、本年もご愛飲の程、よろしくお願いします!!





 改めて、本ブログ右にある「カテゴリー」欄を見てみると、「オタク関連」という項目が設けられている。
中を見れば僅かではあるが、マンガなどが数点、話題に取り上げられている。
しかし、「オタク」というワリには、ゲームに関係した話題は実質、ゼロである。
無理もない、「お酒がメインとなっているゲーム」など皆無だからだ。
確かに、さまざまなゲーム作品でお酒が出てくるシーンはあるが、それはあくまで「演出」であることが殆どで、メインの題材になることはない。
その演出ですら、パッと思いつくところではリバリーヒルソフトの「J.B.ハロルドシリーズ」くらいなものである。「何それ?」とか言うな!

 お酒を軸とした作品が存在しないのは、単に「子供が遊ぶものにアルコールが出てくるのは良くない」といった年齢制限やらTPO的な問題もあろうが、そもそも「どうやってお酒をメインの題材にしたゲームが作れるのか?」ということが大きな問題であろう。

※.このあたり「AUTOMATON」にて、面白い考察(?)がなされている。


・・・だが、この秋、まさかまさかの「例外」が登場した。

それがこの「サイバーパンク・バーテンダー・アクション VA-11 HALL-A(ヴァルハラ)」である!!

本家公式サイト
> 日本語/PLAYISMサイト
> 日本語/steam



今回のブログでは、この「VA-11 HALL-A」(steam版)を取り上げてみたい。





 さて、この「VA-11 HALL-A」は大雑把に次のような作品である。



 西暦 207X年、グリッチシティ。
腐敗した政府と大企業が牛耳るこの街において、「Va-11 Hall-A」、通称”ヴァルハラ”という名のバーは、コンクリート砂漠の、小さなオアシス。

プレイヤーは主人公のバーテンダー「ジル」となり、様々なお客の話相手となりながら、カクテルを提供する。




・・・というもの。

「サイバーパンク・バーテンダー・”アクション ”」と謳われているが、実際にはアドベンチャーゲームである。
家庭用(PS Vita)はもとより、WinPCからUNIX系までリリースされているので、入手に困ることはないだろう。





 さて、本作最大の特徴はなんと言っても、「実際にカクテルを作る」という操作にある。
写真画面右側にある5つのアルコール(?)原料と、「氷」「熟成」、さらに「ミックス」「ブレンド」といった操作を行い、20種類以上の架空のカクテルを作ることにより、物語は進んでゆく。

 マンガやドラマなどの飲食店で良くある展開として、「酒だ!酒ェ、持ってこーい!!」と、泥酔したお客をなだめる店員のシーンといったものがあるが、本作ではああいったシーンをはじめ、「お酒の呑める飲食店あるある」を実際に体験する事になる。

例えば、先の泥酔客に対し、


1.しょうがないから同じ酒を出す。
2.アルコールを少し弱めたような酒を出す。
3.むしろアルコールを強めた酒を出す。
4.注文以外の何かを出す。



・・・といった選択肢が考えられるが、これらを従来のアドベンチャーゲームのように「選択」するのではなく、あくまでプレイヤーがどのカクテルにするかを考え、アルコール原料を混ぜ、”提供する”という一連の流れにより話が進むという点が、従来のゲームと一線を画すところであり、本作の絶対的なオリジナリティが宿る点である。
あえて「アドベンチャーゲーム」と謳わず、「サイバーパンク・バーテンダー・”アクション”」と銘打った、作者の強いコダワリがここにある。

この「実際の行動による、与えられた選択肢に対する返答の仕方」というのは、「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」を始祖とするコマンド選択型ゲームに連なる(であろう)作品として、画期的なインターフェースを有した作品であることを無視してはならない。

つまり、”これ”という「選択」をするのではなく、”これくらいで・・・”という、”察しと、おもてなしの心”を「行動」でもって示す、というのは、今後の新しいアドベンチャーゲームが生まれるにあたり、大きなヒントになるのではないだろうか?



 さて、本作はこのデジタル技術上等!の現代にあって、あえて1980年~1990年代のゲームを踏襲しているビジュアルが目を引く。
わざとドットを目立たせたキャラクター像などは、現代の「8ビットアート」的作品などのオシャレなものを意図としたものではなく、PCエンジン「スナッチャー」あたりを彷彿とさせる色合いと、タイルパターンによる擬似グラデーションという、当事はもとより、現代においても制約の大きい、今や「クラシック」にカテゴライズされるビジュアルに仕上がっている。
更に画面右上に常に表示されるロゴは1980年代のPC-88時代のアドベンチャーやRPGのソレであり、これはもはや「クラシック」ではなく、「レガシー(遺産)」の領域に達していると言うべきであろう。
技術的にハイビジョンの画素を持たせることは特に問題があったわけではないと思うが(実際、プロトタイプなどを見る限り、まだ”現代的”である)、作者へのインタビューなどを見るにつけ、ゲーム史において大きな影響を与えた、ファミコン時代あたりのゲームに対する大きなオマージュなのだろう。


 また、音楽も「凝っている」。
やや明るいシンセサイザーの音色にチップチューンライクな音を混ぜ込んだ、耳に残るメロディラインの多い楽曲が多数、収録されている。
バーが舞台のゲームであるに関わらず、「分かりやすいジャズ調の曲がない」というのは、何とも不思議であるが、これまた1990年あたりまで良く耳にしたようなインストゥルメンタル音楽といった印象を受け、ゲームの展開を(あえて)アップテンポなものにしている。


 見た目や音楽でモノを判断すると、「よっぽど昔のゲームが好きな、若い日本のゲーム作家が作った作品なんだろうな」と思うが、実は本作はベネズエラの若い二人が作り上げたものである。

「カクテルを動的に提供する」といった点を除けば、例えば画面レイアウトであったり、色彩であったり、キャラクター達の言葉遣いであったり、ボタンを押した際の画面遷移などを取ってみても、全く海外製であることを感じさせない。


・・・だが、物語を進めるにつれ、本作の作者が海外の方であるということを実感し始める。
その要因が「テロ」と「性」である。

 ざっくりと本作の流れを掴んだあたりで、物語となるバーの外では物騒な事件が発生していることを伺わせるメッセージが多く出てくる。
作者へのインタビューなどを拝見するに、このあたりはベネズエラで実際に起こっていることの空気感を盛り込んだようだ。
このあたりが「昔のサイバーパンクもの」によくある、ジメジメとした暗さとは違う、別の意味での暗さであったり、作品に対する緊張感を醸し出している。

 また、本作の紹介文などを見ていると、「下ネタも多く出てくる」といった記述が散見されるし、実際に「これ、出していいの!?」と思うほど、アレな単語が伏字や隠喩といったオブラートもなく、ポンポンと飛び出してくる。
幾ら対象年齢が高めのゲーム作品であっても、日本の作品では絶対に考えられないシナリオである。
このあたりは日本人と違い、性に対するパーソナリティの持ち方が「人前では隠すもの」なのか、「自分のアイデンティティを構成する重要な要素」として捕らえているのかの差が垣間見える。



・・・さて、長々と駄文を列挙してきたが、最後に本作の「小さいけど、とても画期的で歴史的なコト」をご紹介したい。

本作をスタートするとすぐに、


「飲み物とおつまみを用意して、リラックスした状態でプレイしてください。」


というメッセージが表示される。

 ここで言う”飲み物”が”ジュース”であるなどと解釈するほどウブではあるまい。
これまでのゲーム史にあって、”(飲み物)お酒”は個々のプレイヤーが用意するものであり、ゲーム側(作者側)がゲームを楽しむにあたり、お酒を作品の隣に用意する事を推奨する作品は存在しなかった。

しかし本作は(恐らく)ゲームの歴史上初めて、お酒とのコンタクトを”本当に”果たした作品である。

お酒というものがこの世に生まれて数千年。現在我々が触れているゲームというものができておおよそ40年。
この2017年の秋、二つの大きな「楽しみ」が小さく、ささやかに、しかし確実な出会いを果たしたのである。



・・・雪が降ってきた。
コタツの中でミカンを頬張りながら、大作RPGで年末年始を過ごすのもいいだろう。

だが、今年は。

お気に入りのお酒とおつまみを隣に、本作を楽しむ。

まさに「大人だからできる、大人のゲームの楽しみ方」を満喫してみるのもアリではないだろうか?
それが出来るのは今、この「VA-11 HALL-A」をおいて他にない。




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ちなみに、「B.J.」とは、”ブログ・ジョッキー”の略で、”ディスク・ジョッキー”の「DJ」にちなんだ造語です。念為。

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