信州長野の地酒「白馬錦」大吟醸、純米吟醸、純米酒、季節限定等の販売。|専務のブログ 新肝話休題



 改めて、本ブログ右にある「カテゴリー」欄を見てみると、「オタク関連」という項目が設けられている。
中を見れば僅かではあるが、マンガなどが数点、話題に取り上げられている。
しかし、「オタク」というワリには、ゲームに関係した話題は実質、ゼロである。
無理もない、「お酒がメインとなっているゲーム」など皆無だからだ。
確かに、さまざまなゲーム作品でお酒が出てくるシーンはあるが、それはあくまで「演出」であることが殆どで、メインの題材になることはない。
その演出ですら、パッと思いつくところではリバリーヒルソフトの「J.B.ハロルドシリーズ」くらいなものである。「何それ?」とか言うな!

 お酒を軸とした作品が存在しないのは、単に「子供が遊ぶものにアルコールが出てくるのは良くない」といった年齢制限やらTPO的な問題もあろうが、そもそも「どうやってお酒をメインの題材にしたゲームが作れるのか?」ということが大きな問題であろう。

※.このあたり「AUTOMATON」にて、面白い考察(?)がなされている。


・・・だが、この秋、まさかまさかの「例外」が登場した。

それがこの「サイバーパンク・バーテンダー・アクション VA-11 HALL-A(ヴァルハラ)」である!!

本家公式サイト
> 日本語/PLAYISMサイト
> 日本語/steam



今回のブログでは、この「VA-11 HALL-A」(steam版)を取り上げてみたい。





 さて、この「VA-11 HALL-A」は大雑把に次のような作品である。



 西暦 207X年、グリッチシティ。
腐敗した政府と大企業が牛耳るこの街において、「Va-11 Hall-A」、通称”ヴァルハラ”という名のバーは、コンクリート砂漠の、小さなオアシス。

プレイヤーは主人公のバーテンダー「ジル」となり、様々なお客の話相手となりながら、カクテルを提供する。




・・・というもの。

「サイバーパンク・バーテンダー・”アクション ”」と謳われているが、実際にはアドベンチャーゲームである。
家庭用(PS Vita)はもとより、WinPCからUNIX系までリリースされているので、入手に困ることはないだろう。





 さて、本作最大の特徴はなんと言っても、「実際にカクテルを作る」という操作にある。
写真画面右側にある5つのアルコール(?)原料と、「氷」「熟成」、さらに「ミックス」「ブレンド」といった操作を行い、20種類以上の架空のカクテルを作ることにより、物語は進んでゆく。

 マンガやドラマなどの飲食店で良くある展開として、「酒だ!酒ェ、持ってこーい!!」と、泥酔したお客をなだめる店員のシーンといったものがあるが、本作ではああいったシーンをはじめ、「お酒の呑める飲食店あるある」を実際に体験する事になる。

例えば、先の泥酔客に対し、


1.しょうがないから同じ酒を出す。
2.アルコールを少し弱めたような酒を出す。
3.むしろアルコールを強めた酒を出す。
4.注文以外の何かを出す。



・・・といった選択肢が考えられるが、これらを従来のアドベンチャーゲームのように「選択」するのではなく、あくまでプレイヤーがどのカクテルにするかを考え、アルコール原料を混ぜ、”提供する”という一連の流れにより話が進むという点が、従来のゲームと一線を画すところであり、本作の絶対的なオリジナリティが宿る点である。
あえて「アドベンチャーゲーム」と謳わず、「サイバーパンク・バーテンダー・”アクション”」と銘打った、作者の強いコダワリがここにある。

この「実際の行動による、与えられた選択肢に対する返答の仕方」というのは、「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」を始祖とするコマンド選択型ゲームに連なる(であろう)作品として、画期的なインターフェースを有した作品であることを無視してはならない。

つまり、”これ”という「選択」をするのではなく、”これくらいで・・・”という、”察しと、おもてなしの心”を「行動」でもって示す、というのは、今後の新しいアドベンチャーゲームが生まれるにあたり、大きなヒントになるのではないだろうか?



 さて、本作はこのデジタル技術上等!の現代にあって、あえて1980年~1990年代のゲームを踏襲しているビジュアルが目を引く。
わざとドットを目立たせたキャラクター像などは、現代の「8ビットアート」的作品などのオシャレなものを意図としたものではなく、PCエンジン「スナッチャー」あたりを彷彿とさせる色合いと、タイルパターンによる擬似グラデーションという、当事はもとより、現代においても制約の大きい、今や「クラシック」にカテゴライズされるビジュアルに仕上がっている。
更に画面右上に常に表示されるロゴは1980年代のPC-88時代のアドベンチャーやRPGのソレであり、これはもはや「クラシック」ではなく、「レガシー(遺産)」の領域に達していると言うべきであろう。
技術的にハイビジョンの画素を持たせることは特に問題があったわけではないと思うが(実際、プロトタイプなどを見る限り、まだ”現代的”である)、作者へのインタビューなどを見るにつけ、ゲーム史において大きな影響を与えた、ファミコン時代あたりのゲームに対する大きなオマージュなのだろう。


 また、音楽も「凝っている」。
やや明るいシンセサイザーの音色にチップチューンライクな音を混ぜ込んだ、耳に残るメロディラインの多い楽曲が多数、収録されている。
バーが舞台のゲームであるに関わらず、「分かりやすいジャズ調の曲がない」というのは、何とも不思議であるが、これまた1990年あたりまで良く耳にしたようなインストゥルメンタル音楽といった印象を受け、ゲームの展開を(あえて)アップテンポなものにしている。


 見た目や音楽でモノを判断すると、「よっぽど昔のゲームが好きな、若い日本のゲーム作家が作った作品なんだろうな」と思うが、実は本作はベネズエラの若い二人が作り上げたものである。

「カクテルを動的に提供する」といった点を除けば、例えば画面レイアウトであったり、色彩であったり、キャラクター達の言葉遣いであったり、ボタンを押した際の画面遷移などを取ってみても、全く海外製であることを感じさせない。


・・・だが、物語を進めるにつれ、本作の作者が海外の方であるということを実感し始める。
その要因が「テロ」と「性」である。

 ざっくりと本作の流れを掴んだあたりで、物語となるバーの外では物騒な事件が発生していることを伺わせるメッセージが多く出てくる。
作者へのインタビューなどを拝見するに、このあたりはベネズエラで実際に起こっていることの空気感を盛り込んだようだ。
このあたりが「昔のサイバーパンクもの」によくある、ジメジメとした暗さとは違う、別の意味での暗さであったり、作品に対する緊張感を醸し出している。

 また、本作の紹介文などを見ていると、「下ネタも多く出てくる」といった記述が散見されるし、実際に「これ、出していいの!?」と思うほど、アレな単語が伏字や隠喩といったオブラートもなく、ポンポンと飛び出してくる。
幾ら対象年齢が高めのゲーム作品であっても、日本の作品では絶対に考えられないシナリオである。
このあたりは日本人と違い、性に対するパーソナリティの持ち方が「人前では隠すもの」なのか、「自分のアイデンティティを構成する重要な要素」として捕らえているのかの差が垣間見える。



・・・さて、長々と駄文を列挙してきたが、最後に本作の「小さいけど、とても画期的で歴史的なコト」をご紹介したい。

本作をスタートするとすぐに、


「飲み物とおつまみを用意して、リラックスした状態でプレイしてください。」


というメッセージが表示される。

 ここで言う”飲み物”が”ジュース”であるなどと解釈するほどウブではあるまい。
これまでのゲーム史にあって、”(飲み物)お酒”は個々のプレイヤーが用意するものであり、ゲーム側(作者側)がゲームを楽しむにあたり、お酒を作品の隣に用意する事を推奨する作品は存在しなかった。

しかし本作は(恐らく)ゲームの歴史上初めて、お酒とのコンタクトを”本当に”果たした作品である。

お酒というものがこの世に生まれて数千年。現在我々が触れているゲームというものができておおよそ40年。
この2017年の秋、二つの大きな「楽しみ」が小さく、ささやかに、しかし確実な出会いを果たしたのである。



・・・雪が降ってきた。
コタツの中でミカンを頬張りながら、大作RPGで年末年始を過ごすのもいいだろう。

だが、今年は。

お気に入りのお酒とおつまみを隣に、本作を楽しむ。

まさに「大人だからできる、大人のゲームの楽しみ方」を満喫してみるのもアリではないだろうか?
それが出来るのは今、この「VA-11 HALL-A」をおいて他にない。




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